スイス人アーティスト・デュオ、Taiyo Onorato & Nico Krebs（タイヨ・オノラト & ニコ・クレブス）の作品集。現像するだけでポジ像が得られるという特殊印画紙「ダイレクト・ポジティブ・ペーパー」を使用し、自身で制作したものや拾って来たものまで様々なオブジェを被写体に2009年に彼らのスタジオで撮影された作品がまとめられている。1分以上露光させて撮ることで普通では捉えられないような流動的な像が生まれ、このアナログな手法の素晴らしさを再認識させようとする意識に加え、小説家が物語を描くその過程は重要なように、ポジ紙に直接写すその過程自体が写真家にとっても重要なことであることを示す作品となっている。カメラの性質や機能、写真の役割に対する探究心が彼ら特有のユーモアで存分に表現されている。
>Taiyo Onorato and Nico Krebs
Kodoji Press 2013年刊行
サイズ縦315×横240mm ソフトカバー 96ページ
