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彼岸
荒木経惟 | Nobuyoshi Araki


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荒木経惟 Rat Hole Gallery

「彼岸」は、荒木が前立腺癌の治療を受けながら、タクシーの窓越しから東京を撮影したものです。これまでも荒木は、「クルマド」シリーズとして同様の撮影を長年続けてきましたが、今回の写真は200mm望遠レンズで撮影されており、街の日常的な光景に「喪失感」を重ねながら、彼岸を見つめるかのように、あるいは彼岸から見つめるかのように、荒木は様々な人々の姿かたちにレンズを向けています。同時に刊行された「楽園」同様、本書収録の作品は、長年連れ添った愛猫チロが死を迎えた昨春以降に撮影されており、失った時間(とき)に対する荒木のさまざまな想いが染みわたっています。「彼岸」「楽園」両作品は3月11日の大地震以降の自らの写真のあり方を示すものとなっています。モノクロ142点、カラー18点収録。
RAT HOLE GALLERY 2011年刊行
サイズ: 縦158mm×横215mm ハードカバー 164ページ
  • 3,300円(税込)