矢島陽介は1981年山梨県に生まれ、学生時代から独学で本格的に写真制作を始めた。2009年の「1_WALL」入選以来積極的にグループ展や個展に参加し、国内外の著名な写真フェスティバル等に入選を果たしてきた。 本作『Dual Nature』は、2011年の東日本大震災の直前まで制作していた、約10年前の作品。震災により制作のマインドが大きく変化したことで、その後の制作と発表を保留していたが、昨今、Covid-19やロシアによるウクライナ侵攻など、著しく不安定で混沌とした世界情勢に陥っていく中で、ふと本作を見返してみた時に、改めて当初のコンセプトを強く帯びてきているように思えたことでブック化された。

"Dual Nature"
「本作は、異なる地点や角度から捉えた2枚の写真をもとに制作しています。境界はレタッチによって処理し、1枚の絵のように整えています。鑑賞においては、本作を一枚の写真として見た時に感じる違和感や歪みのようなものを楽しんでもらえれば本望ですが、個人的な意図としては、この世界にごく当たり前のように存在する二元性、つまりどちらかが正しく、どちらかが間違いだというジャッジを明確に下すこと自体が不毛であり、不可能であるということの提示でもあります。」

---

Self-publishing2022年刊行
サイズ: 295mm×横210mm ソフトカバー 26ページ
※この商品は、メール便での配送が可能です。