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Sugar Paper Theories
Jack Latham

ウェールズ生まれ、現在はブライトンを拠点とするイギリス人フォトグラファー、ジャック・レイサム(Jack Latham)の作品集。本書は、実際に起きた事件に基づき制作されている。40年前、アイスランド南西部で2人の男性が行方不明になった。彼らが失踪した時の状況は、特に変わったところもなく大した情報も残っていない。1人は当時18歳の男性で、真冬のアイスランドにてナイトクラブから家まで10kmある道のりを酔いながら歩いて帰る途中に行方が分からなくなった。その数か月後、ある家族想いの男性は謎の人物と接触したのを最後に家に戻ってこなかった。もしこの二つの失踪事件がどこか別の国、別のタイミングで起きていたとしたら、単なるありふれた行方不明事件として処理され、家族や友人以外からは完全に忘れ去られたことだろう。しかし、このグズムンドゥル&ゲイルフィンヌル(Gudmundur and Geirfinnur)事件は、大きな物議を醸したアイスランド史上最大の殺人事件捜査へ発展することとなる。1970年代のアイスランドでは、密輸、麻薬やアルコール、海外からの不道徳な影響などに対する不安が常にあり、彼らの失踪もそれに関連しているものとされ、国家の上層部も全く同様の線で捜査を進めていた。しかし結局は、社会の片隅にくすぶっていた数名の若者たちがこの話の主な登場人物であったことが明らかになった。全員が自白をし、その結果起訴され服役しているが、問題となった夜に何が起きたのかを覚えているものは一人もいなかった。その後この事件に公的な捜査のメスが入ったことにより、当時の残忍で未熟な刑事司法制度のために何百日にも渡り昼夜となく繰り返された取り調べの結果、容疑者たちは事件の前後の記憶と実際の体験を全く繋げられなくなってしまったというもう一つのストーリーが白日の下にさらされている。作者は、グズムンドゥルとゲイルフィンヌルが失踪した後にどこでどうしていたのか、容疑者たちが語ったとされる話に出てくる場所や人物を撮り、存命の容疑者や、事件について匿名で情報を提供した者や陰謀説を唱えた者、鑑定の専門家や、目撃者の証言を聞いた。本書では、警察の捜査ファイルの原本からとった資料と作者が撮影した写真を組み合わせることで、実際の記憶と再構築された記憶を可視化している。また、同じく1970年代にイギリスで起きたバーミンガム・シックス事件やギルフォード・フォー事件といった冤罪事件において、実行犯として有罪になった被告たちに対し「記憶不信症候群」を提唱し再審無罪となるのを助けたレイキャヴィーク市元警察官・犯罪心理学者、現ロンドン大学教授ギスリー・グッドジョンソンCBE(大英帝国勲章第三位)が、グズムンドゥル&ゲイルフィンヌル捜査の中心人物として、この事件に関する記録を提供している。本書は、これまで作品集を出版(自費出版を除く)したことがなく、イギリスでヴィジュアル・アートを学んでいる、もしくは過去5年以内に卒業をしている写真家を対象に「The Photographers' Gallery」と実業家のAmnon Bar-Turによって設立された「Bar Tur Photobook Award」の2015年受賞作品として、「The Photographers' Gallery」とイギリスの出版社「Here Press」との共同発行という形で刊行された。
>Jack Latham
>Here Press
Here Press & The Photographers' Gallery 2016年刊行
サイズ縦310×横230mm ソフトカバー 340ページ 
  • 7,020円(税込)


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